1度目(初めて)の転職の期限が30歳であると言われることがあります。
この記事では、20代のうちに転職を成功させる秘訣を解説します。
- 一人称で仕事を回した実績を作る
10年以上、同じ会社にいる人がいざ転職をしようとしても、スキルと経験が固定化されています。
同世代ですでに転職を重ねている人は、自分からスキルや経験を取りに行っているので、そういった人達と市場で比較されてしまうと、どうしても立場が弱くなります。(厳密には職種によって異なりますが。)
上記のdodaの調査でも、転職の平均年齢は31.7歳となっています。
転職する、もしくは、1社でキャリアアップしていくの1回目の岐路は、20代の最後にくると言って良いでしょう。
私自身も1回目の転職をしたのは29歳(30歳になる年)でした。
この時の私も「このまま今の会社に居て良いか?」と自問自答し、不安なまま転職活動をしていました。
同じような方々に少しでも参考になればと思います。
一度転職を経験していると、その後の転職は即戦力としてスキルと経験を買われて、自然と転職をすることができます。
私自身も2回の転職を重ねて、32歳で年収1400万となりました。
私が新卒で入社した会社に今も留まっている私の同期は、今も年収600万~680万ぐらいです。
キャリアは単純に年収だけで比較するものではありませんが、一つの指標となるのは間違いありません。
それでは、詳しく解説してきます。
一人称で仕事を回すとは?
「一人称で仕事ができるようになる。」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
聞きなれない人と、良く聞く人で二極化すると思います。
よくこの言い方が使われる企業では、ほぼ全員が若手社員に向かって使っているところもあります。
私が新卒で入社した会社もそうでした。
先輩社員も使っていましたし、若手向けの研修を受けたときの講師も使っていました。
じゃあ一人称で仕事ができるってどういうことでしょうか。
端的にいうと、「自分が担当している実務のすべてを自分の言葉で説明できる」ということです。
結構、ニュアンスだけで使っている人が多く、具体的にどういうことか説明できる人はあまりいないと思います。
若手のころは、先輩社員のお手伝いのようなポジションで、業務を行うことが多いと思います。
これは逆に、一人称で仕事ができていない状態です。
おそらくこの時は、課長などの管理職への報告なども先輩社員が行っていたはずです。
上記の状態から早く抜け出すことが大事です。
自分の仕事が今どんな状態で、次に何をしようとしていて、いつまでにゴールできるのかを自分の言葉で説明できる状態が、一人称で仕事を回している状態といえるでしょう。
ここにできるだけ20代の早いうちに到達しておくことが重要です。
ベンチャーやコンサルだと新入社員のうちから、早めにこういった状態に到達することができますが、大企業だと早くとも4年目~5年目にならないと、一人称で業務を回せる人材にはなっていません。
大企業の場合は、ゆっくり人材を育てる文化(逆にいうとそれだけ余裕がある)なので、ベンチャー等と比較すると少し遅く感じるかもしれませんが、会社に規模に比例して、自分が取り組める案件の規模(関わる人数や売上など)も大きくなる傾向があるので、一概にどちらが良いとは言い切れません。
どういった組織に所属しているにしろ、自分でこなすことができる業務の幅を広げていく日々の努力が必要であるのは、言うまでもありません。
社外でアピールできる実績を残す
一人称で仕事ができるようになったとしても、その仕事の内容が社内でしか通用しないような業務内容では、転職ができません。
転職ができる、つまり、他社でも同じようなパフォーマンスを出すことをアピールするには、社外で通用する実績を残す必要があります。
- 法人営業で売上目標を達成した。
例えば、法人営業です。
法人営業は、会社が変わって、売るものが変わったとしても営業のスキルは、普遍的なものなので、営業実績は社外でも十分通用します。
もちろん製品の概要や分野に関する得意・不得意や経験値の違いはありますが、営業で実績を出せていれば、十分に他社への転職をすることは可能です。
特に営業は、顧客と直接コミュニケーションすることになるので、自分の会社を客観的にとらえることができます。
実はこの感覚が非常に重要で、社内業務だけやっていると、常に自分の部署の利益を最優先に考えて業務をしてしまうことなります。
この状態では、決して社外に通用する実績を作ることができません。
顧客にために、試行錯誤して価値を提供する経験は、転職時にアピールする実績として非常に強いものなります。
- 営業とSEの間に入り、工数や金額の社内調整をした。
社内の組織間に入って、調整のみをする業務は転職時には、あまり良い印象を与えることができません。
社内の調整業務も、非常に重要な業務なのですが、残念ながら他社では再現性が低いため、良い実績にはならないのです。
もし自分が社内を調整するだけの業務に携わっている場合は、できる限り、顧客に近い位置で業務ができる部署に異動すること検討しましょう。
長く社内業務だけをやっていると、1社に依存したキャリアしか描けないことなり、年収などもあまり変化のないものとなります。
実績をあげるに至ったスキルを言語化する
自分の中で、実績を上げるに至った要因を分析しておく必要があります。
なぜなら、転職をするためには「再現性」が最も重要だからです。
実績を上げるに至った要因を自分で理解しておかないと、同じような実績を上げることはできませんよね。
要因を理解できていれば、ある程度同じような実績を生み出すこともできます。
つまり、あなたの実績に再現性があることを、面接に行った会社に伝えることができるようになります。
実績をあげるに至った要因は、様々であり、もしかすると偶然(運の要素)も絡んできた場合もあると思います。
しかし、その中でもある程度、固定化された要因があります。
それは、私たちのビジネススキルです。
スキルは一度身に付ければ、仕事をしている限り、忘れたりすることはありません。
実績と、実績を上げる要因となったスキルを紐づけながら、実績をあげるまでの過程(プロセス)を説明することによって、「再現性」を担保することができます。
再現性を担保するために、実績をあげるに至ったスキルを言語化するということは、非常に重要になってきます。
自分が実績を上げるために使ったスキルを言語するには、以下のステップで行うとスムーズにいきます。
参考にしてみてください。
- 実績(結果)を書き出す。
- 実績に至るまでの過程(プロセス)を書き出す。
- プロセスの中で自分が主語で語れる要素を抽出する。(自分の影響範囲の確認)
- 抽出した要素の「動詞」を抜き出す。
- 動詞を名詞化する。
おおよその場合、上記のステップを踏むことで、自分ができることが抽出でき、言語化することができます。
言葉にすると「関係構築」とか「情報収集」とかになってしまいますが、自分の実績をあげるまでのエピソードから抽出した言葉なので、自分の言葉で、自分のスキルについて語ることができます。
いきなりスキル(強み)の言語化から入ると、自分の中でスキルと、スキルを活かしたエピソードが紐づいていないため、非常に薄っぺらいスキルになります。
スキル(強み)を語るときには、エピソードと一緒に話すようにすると、再現性を相手に伝えることができ、説得力が上がります。
まずは現状の実績の洗い出しを
この記事では、20代で転職を成功させるためのポイントについて解説してきました。
最後に改めて要点を整理しておきましょう。
- 一人称で仕事ができる。
- 社外でアピールできる実績を作る。
- スキルを言語化する。
まずは、20代のうちに一人称で仕事ができることが最大のポイントでした。
自分ができるようになった業務の中で、社外でアピールできる実績を作っていきましょう。
自分の業務が社内業務(組織間の調整など)になっている場合は、要注意です。
最後に、実績をあげるに至った要因を分析し、自身のスキルと実績を紐づけておくことが重要です。
改めて、自分の今の状況を振り返ってみて、これまでのキャリアの棚卸からスタートしてみましょう。
ここまでできると、ほぼ職務経歴書を作るための要素が出来上がっているので、一気に自分の職務経歴書を作ってみても良いかもしれません。
職務経歴書の書き方については、以下の記事でまとめているので、参考にしてみてください。
あなたの転職活動がうまくいくことを願っています。